桜まつりののぼりは雰囲気に合わせた色で盛り上げて

寒い冬が終わり春を告げるころになると、桜の季節になります。

家に閉じこもって過ごしていた冬も終わり、春の訪れは気持ちも明るく
なりますが、私たち日本人にとっては桜の花は格別の意味を持っています。

桜

1年間にたった1週間ほどしか咲かない桜の花は、その1週間の間に
すべての美しさで人々を楽しませてくれ、そして、散り際も見事です。

そうした、日本人の心に欠くことのできない桜の季節には、
日本のいたる所で桜まつりが開催されます。

多くの人が咲き誇る桜の下で、家族や友人たちと花見をしたり、
宴会を楽しんだりしますが、お祭りに欠かすことができない道具と
しては、雰囲気に合わせた色ののぼりといえます。

盛り上げる

のぼりは今では、商店街をはじめ街のあちこちで見かけますが、
のぼりは雰囲気を盛り上げてくれる重要なツールということができます。

のぼりは、専門の業者に頼めば1本からでも注文を受けてくれる
ところもあり、お祭りには必須のアイテムです。

戦いの中で生まれた「のぼり旗」|時代とともに用途も変化

店舗やイベント会場でよく見る「のぼり」には、長い歴史があります。

平安時代に流れ旗として使われたことが始まりで、源氏と平氏の
最後の合戦として知られる「壇ノ浦の戦い」ではそれぞれが
紅白の旗を掲げていました。

縦長という形状は現在と共通ですが、色は一色だったようです。

旗を掲げていたのは、敵と味方を識別するためです。
戦場では一瞬の判断が命に関わるので、瞬時に見分けられる
ことが必要です。

流れ旗はひらひらしているところが特徴ですが、敵味方が入り混じる
合戦場では、あまり動きの多い旗は見づらいという欠点がありました。

室町時代に入ると同じデザインを用いる者同士の争いが生じるように
なり、自軍なのか敵軍なのかを見分けることができなくなったそうです。

ひらひらしている流れ旗は見づらいので、室町時代にのぼり旗が登場します。
戦国時代には自軍の家紋を入れ、背に挿して戦う光景が見られるようになります。

流れ旗と比べて見やすいだけでなく、管理も簡単です。
そのため戦国時代を経て、幅広く使われるようになりました。